リサイクルを学ぶ

知ってください リサイクルのこと

正しくないリサイクルとは?

家電リサイクル法の仕組みによって回収された家電製品は、メーカーの責任において確実にリサイクルされています。家電のリサイクルには細やかな作業が必要となるため、一台一台作業者が手作業で労力をかけて解体しています。その後大がかりな設備を何台も使用して資源を生み出し、鉄などの資源として社会に戻しています。作業者の工数や設備の維持にも費用が発生します。
また、フロンや鉛などの有害な化学物質を回収し適切に処理するにも、処理費が掛かります。
使い終わった家電製品を正しくリサイクルするには費用が必要なのです。

では、街中を軽トラックで回ったり、空き地で無料回収をうたう業者は、なぜ無料で回収しているのでしょうか。本当に無料なのでしょうか。

実はそのような業者の中には、廃棄物の収集や処分を「無許可」で行う業者がいます。無許可のため、適切にリサイクルする施設をもっているとは限りません。鉄や銅などの高く売れるものだけを取出し、お金にならないものはどこかに捨てれば、無料で回収しても儲けることができるでしょう。
事実、無許可の廃棄物回収業者によって回収された廃家電や粗大ごみが、不法投棄された事例が報告されています。

また、はじめは「無料」と言っていたにもかかわらず、荷物を積み込んだ後に「引取りには料金がいる」「トラックに乗せる積み込み代は別」などと言って高額の請求をしてくる悪質な業者もいます。
正しいリサイクルで環境だけではなく、自分の身も守りましょう。

正しくないリサイクルとは?

正しくないリサイクルとは?

リサイクル配慮設計

製品を作る段階から、リサイクルのことを考えて設計することを「リサイクル配慮設計」といいます。リサイクルの現場から出てきたアイディアを設計者に伝え、一緒に考えることでよりリサイクルしやすい製品を作っています。

たとえば、

などがあります。

家電製品は新しいものほどリサイクルし易いような設計がされています。

リサイクル配慮設計

リサイクルと天然資源

リサイクルによって、家電製品に使用されていた資源を循環させることにより、新たに掘り出される天然の資源を減らすことができます。
天然資源(鉱石・原油・レアアース等)は再生されないので、採掘を続ければいつか枯渇してしまいます。今ある資源をリサイクルによって何度も使うことがとても大事です。

また、採掘にかかる環境負荷も大きく、開発に伴う自然環境破壊や採掘時における大量の土石の発生やその流出などによる河川汚濁、過酷な労働環境など様々な問題の原因ともなっています。

リサイクルによって鉄や銅などの資源を得ることを鉱山からの採掘になぞらえて、街から資源を得る「都市鉱山」と呼ばれることもあります。

リサイクルと天然資源

リサイクルと温室効果ガス

リサイクルによって温室効果ガスも削減することができます。
それは「天然資源から資源を作るよりも必要なエネルギーが少ない」、つまり「天然資源と比べ、製造時の二酸化炭素の発生量が少ない」ことによるものです。

たとえばアルミニウムの場合、鉱石(ボーキサイト)からアルミ製品を作るのと、リサイクルされたアルミからもう一度アルミ製品を作るのとでは、必要となる電力に約30倍もの違いがあります。つまりアルミ製品を作るのにリサイクル材を使うことで97%ものエネルギーの使用(つまり温室効果ガスの排出)を抑えることができます。

家電4品目で最も使用されている鉄(重量比で約50%)も、リサイクルによって二酸化炭素の発生を大きく減らすことができます。
原材料である鉄鉱石から鉄を取り出す際に、大量の二酸化炭素が発生します。
鉄鉱石の中では酸化鉄の形で存在しているため、鉄だけを取り出すには酸素の除去(還元)を行う必要があります。この時コークス(炭)を用いて還元するため、酸素と炭素が結びついて二酸化炭素が発生するのです。このほかにも鉄を溶かす炉の燃料などを考慮すると、鉄1tを生産するのに発生する二酸化炭素は倍の2tにも及ぶといわれています。
リサイクルによって回収された鉄を使う場合、還元する工程がありません。鉄1tに対して二酸化炭素0.5tの発生と、鉄鉱石から鉄を作ることに比べて二酸化炭素の発生を4分の1程度にまで抑えることができます。

リサイクルと温室効果ガス

リサイクルと温室効果ガス

フロンについて

人工的に化学合成された物質であるフロン(フルオロカーボン)は、燃えにくく安定している・人体への毒性が低いなどの特長から、冷蔵庫・エアコンをはじめ、スプレー用ガス・洗浄剤などに幅広く使用されていました。
開発された当初は、その理想的な特徴から「夢の化学物質」とも言われていました。

しかし、フロンがオゾン層を破壊することがわかり、オゾン層を壊してしまうフロン(特定フロン:CFC)の国際的な規制が始まりました。
そのためオゾン層を破壊しないフロン(代替フロン:HFC)が登場し、オゾン層への影響は減少していきましたが、近年新たな問題が発生しました。地球温暖化です。
代替フロンは地球温暖化係数が高いことから、現在ではより環境への影響が少ないフロン(HFC)へと置き換わっていっています。

また、冷蔵庫では2002年よりフロンを使っていない冷蔵庫が発売され、現在ではほぼすべての冷蔵庫がノンフロンとなっています。


これらのフロンはすべて回収し、適切に処理しなければなりません。
リサイクルする時にフロンの種類ごとに回収して専用ボンベに収納しています。

フロンについて

フロンについて

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