知ってください リサイクルのこと
どうして家電4品目が特別なのか
家電リサイクル法では、テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機の4つ(家電4品目)が対象となっています。しかし、家電製品といっても、テレビ以外にも携帯ゲーム機やドライヤー、扇風機などなど、さまざまな種類があります。なぜテレビなどの家電4品目が特別なのでしょうか。
家電4品目が家電リサイクル法によって決められている理由には、
- ①家電4品目で家電製品全体の8割を占める(重量比)こと
- ②製品は配達・設置されるので、古いものがそのまま引き取れること
- ③フロンなどの有害な化学物質が使われていること
- ④鉄や銅などの有用な資源が多く使われていること
などがあげられます。
対象を特定することで、それぞれの特性に応じたきめ細やかな対応が可能になり、効率よくリサイクルできています。また、配達の際、配達業者が入れ替えた古い家電をそのまま持って帰ることで、容易に回収することができます。
リサイクルを効率よく行うため、特別に決められているのです。
なお、家電4品目以外の家電製品は、市町村が処分することになっています。
処分する方法についてはお住まいの自治体にお問い合わせください。
「小型家電回収ボックス」で回収している取り組みもあります。ぜひご協力ください。
正しくないリサイクルとは?
家電リサイクル法の仕組みによって回収された家電製品は、メーカーの責任において確実にリサイクルされています。家電のリサイクルには細やかな作業が必要となるため、一台一台作業者が手作業で労力をかけて解体しています。その後大がかりな設備を何台も使用して資源を生み出し、鉄などの資源として社会に戻しています。作業者の工数や設備の維持にも費用が発生します。
また、フロンや鉛などの有害な化学物質を回収し適切に処理するにも、処理費が掛かります。
使い終わった家電製品を正しくリサイクルするには費用が必要なのです。
では、街中を軽トラックで回ったり、空き地で無料回収をうたう業者は、なぜ無料で回収しているのでしょうか。本当に無料なのでしょうか。
実はそのような業者の中には、廃棄物の収集や処分を「無許可」で行う業者がいます。無許可のため、適切にリサイクルする施設をもっているとは限りません。鉄や銅などの高く売れるものだけを取出し、お金にならないものはどこかに捨てれば、無料で回収しても儲けることができるでしょう。
事実、無許可の廃棄物回収業者によって回収された廃家電や粗大ごみが、不法投棄された事例が報告されています。
また、はじめは「無料」と言っていたにもかかわらず、荷物を積み込んだ後に「引取りには料金がいる」「トラックに乗せる積み込み代は別」などと言って高額の請求をしてくる悪質な業者もいます。
正しいリサイクルで環境だけではなく、自分の身も守りましょう。
リサイクル配慮設計
製品を作る段階から、リサイクルのことを考えて設計することを「リサイクル配慮設計」といいます。リサイクルの現場から出てきたアイディアを設計者に伝え、一緒に考えることでよりリサイクルしやすい製品を作っています。
たとえば、
- 「ネジの大きさをそろえる」ことで、工具を持ち替える手間をなくす
- 「ネジがある場所を示す」ことで、ネジの位置がすぐにわかる
- 「プラスチック部品の素材を表示する」ことで、純度の高いリサイクルが可能になる
- リサイクルしにくい素材は使わない
などがあります。
家電製品は新しいものほどリサイクルし易いような設計がされています。
家電リサイクルの歴史
2001年4月に家電リサイクル法が施行されて以来22年以上が経過しました。
消費者の皆様や、家電量販店などの小売の方のご協力のもと、毎年1000万台を超える家電製品がリサイクルされ、資源として有効利用されています。
2016年には総累計台数が2億台を突破しています。
また、消費者の皆様にご負担いただいているリサイクル料金を低減化するための取り組みも継続的に行っています。
資源の付加価値を上げる活動やリサイクル処理の効率化を進め、リサイクルにかかる費用を減らすことで、リサイクル料金の引き下げが行われてきました。
※使用済み廃家電の引取台数の推移、及びリサイクル料金の推移については、一般財団法人家電製品協会ホームページの「年次報告」にてご確認ください。
※各製造業者等が公表した最新のリサイクル料金は、一般財団法人家電製品協会ホームページの「再商品化等料金一覧(家電リサイクル料金)」にてご確認ください。
リサイクルによる温室効果ガス削減
リサイクルすることにより、大きな温室効果ガスの削減効果があることをご存知でしたでしょうか。
たとえばアルミニウムの場合、鉱石(ボーキサイト)からアルミ製品を作るのと、リサイクルされたアルミからもう一度アルミ製品を作るのとでは、必要となる電力に約30倍もの違いがあります。つまりアルミ製品を作るのにリサイクル材をつかうことで97%ものエネルギーの使用(つまり温室効果ガスの排出)を抑えることができます※。これは鉄などの他の金属にも同様のことが言えます。
また、フロン類は非常に大きな温室効果を持っており適切にリサイクルされなかった場合、すべて大気中に放出されてしまいます。“正しいリサイクル”によって回収されることで、抑えることができます。
リサイクルの意外な効果、ぜひ覚えてください。
※ 出展:アルミ缶リサイクル協会
アルミニウム地金にするまでの使用エネルギー量比較